変形性膝関節症(膝OA)は、日常生活に大きな影響を与える疾患ですが、膝だけを治療対象にするのではなく、足部の機能改善に焦点を当てることで、膝への負担を軽減し、症状の改善が期待できます。

本記事では、膝OAに対する足部エクササイズの重要性と具体的な方法について解説します。


なぜ膝だけを見ても改善しにくいのか?

多くの理学療法士が経験するように、膝OAに対して膝へのアプローチをしてもなかなか症状が改善しないことがあります。

その理由は、膝関節単独の問題ではなく、足部の状態が大きく影響しているためです。

膝関節は蝶番関節であり、主に屈曲と伸展の動きを担う関節なため内反(O脚)や外反(X脚)の動きには不向きです。

一方、足部(距骨下関節)は顆状関節なため内反や外反の動きを得意としています。

したがって、歩行中に生じる内反・外反ストレスを足部で適切に制御できていれば、膝関節が代償的に内反・外反し変形することはありません。

「足部が大事」と言われる理由がなんとなくわかりますよね笑!

 


膝の変形と足部の関係

O脚(内反変形)の場合

歩行時に外反ストレスが生じると、本来は足部の内反動作でそれを制御するべきですが、足部の機能が低下していると、それがうまくできません。

そうなると、歩行中に起こる外反ストレスを足部の内反ではなく、膝の内反で制御しようとします。
それを繰り返すうちにO脚変形してしまいます。

X脚(外反変形)の場合

反対に、歩行時に内反ストレスが生じた際、足部の外反動作で制御できなければ、膝が外反方向へ変形してしまいます。

つまり、膝OAの治療においては【歩行中に生じる外反ストレス・内反ストレスを足部でどれだけ制御できるか】が根本的な解決策となります。


膝OA改善のための足部エクササイズ

エクササイズは①座位②立位③ランジの順で行っていきます。

エクササイズの目的は歩行中に起こる外反ストレス・内反ストレスを足部で制御することです。なので、歩行に1番近いランジが最終課題となります。

1. 座位での足部コントロールエクササイズ

【方法】
・座位でバランスディスクの上に足部を乗せる
・両手で膝をしっかりと固定し、膝が動かないようにする。
・膝を止めた状態で足首を回転させるように動かし、足部の内反・外反運動を行う。

【トレーニング動画】

【ポイント】
・膝を固定して、足部のみで内反・外反を行うことが重要です。
・初めは難しいため、PT側で補助をします。

2. 立位でのチューブエクササイズ

【方法】
・セラバンドやチューブを使い、足部に外反または内反ストレスを加える。
・そのストレスに対して、足部で適切に制御するように動作する。

【トレーニング動画】
O脚(内反変形)の場合 → チューブで外反ストレスを加え、足部の内反で制御。

  • X脚(外反変形)の場合 → チューブで内反ストレスを加え、足部の外反で制御。

【ポイント】
・膝を固定し、足部の動きだけでコントロールする意識を持つ


3. ランジ動作でのトレーニング

【方法】

・セラバンドやチューブを使い、足部に外反または内反ストレスを加える。
・そのストレスに対して、足部で適切に制御しランジする。

【トレーニング動画】
・O脚(内反変形)の場合 → チューブで外反ストレスを加え、足部の内反で制御しランジする。

  • X脚(外反変形)の場合 → チューブで内反ストレスを加え、足部の外反で制御しランジする。

【ポイント】
・歩行動作に近い環境で足部のコントロールを高める。
・実際の歩行でのストレスを適切に処理できるようにする。


まとめ

・膝関節は構造的に内外反の動きが苦手
・足部(距骨下関節)は内外反の動きが得意
・歩行中に起こる内外反ストレスを足部で制御できないと膝で制御して変形が起きる
・歩行中に起こる外反ストレスを足部の内反で制御できないと膝の内反で制御するのでO脚になる
・歩行中に起こる内反ストレスを足部の外反で制御できないと膝の外反で制御するのでX脚になる
・足部の内反・外反を制御するエクササイズが膝OAの改善に有効。


膝OAの改善には時間がかかりますが、足部のトレーニングを継続することで、膝の負担を軽減し、長期的な改善につながります。

ぜひ、やってみてください!

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